ラード供給不安を乗り越える!油脂メーカーが語る代替素材の可能性

食品にコクと豊かな風味を与える食材として、ラードを愛用している方は多いかもしれません。
ラードを使って炒飯や焼きそばを調理すると、サラダ油よりも深いコクや味わいが楽しめます。
本格的なこってり感や濃厚感を引き出すには、欠かせない素材です。

しかし、近年の原料価格の高騰や豚熱の流行によって供給が不安定になり、ラードが手に入りづらくなりつつあります。
また特定の料理のためにラードを買うことに抵抗を感じる方も多いかもしれません。
そのため、ラードの代わりになる油脂・素材をお求めの声が多くなってきています。

そこで本記事では、油脂メーカーの視点からラードの美味しさの秘密を説明したうえで、ラードの代替となる油脂・素材をご紹介します。
この記事をお読みいただき、ラードの代替食材を見つけていただければ幸いです。
ぜひ最後までお付き合いください!

1.ラードの美味しさの秘密

ラード画像

ラードとは豚から抽出した油脂のことを指し、料理に使うと、料理に独特の風味や食感を与えます。
しかし、ラードはなぜこのように料理で重宝されているのでしょうか?

筆者は、以下の2点と考えています。
①ほどよい固さ
②加熱に由来する香ばしい風味

ラード

1.1.油脂の固さについて

油脂には、サラダ油のようにサラサラした液体状のものから、バターのようにカチッと固体状のものまでさまざまな種類があり、使い勝手や食感に大きな影響を与えます。

1.1.1.ほどよい固さ

ラードを実際に触ってみると、固体として形を保っているものの、指で押すと崩れる程度の柔らかさがあります。
こうした柔らかさは、ラードをハンバーグや餃子などのタネに簡単練りこむことができたり、フライパンでスムーズに溶けやすかったりと、調理をするうえで便利な特徴をもたらします。
完全に液体の油は食品に練りこんでも底に沈んでしまう場合がありますし、逆にバターのように固すぎると、使う前に切り分けたり溶かしたりする手間が必要です。
その点、ラードは様々な調理シーンにおいて使い勝手の良い固さを備えているのです。

液体と固体の油

1.1.2.コクについて

料理におけるコクは複雑な要因が絡んでいますが、ラードの固さはコクをもたらす一つの要因と考えられます。

料理にコクをもたらすには、油脂の選択は重要です。
油脂には、食材の様々な風味成分を溶かしこむ性質があります。
そして溶け込んだ食材の風味は、口に含むと徐々に揮発するのですが、ヒトはそうした持続的な風味を「コク」として感じるのです。

口の香り

こうした風味のあらわれ方に油脂の「固さ」は大きく関係していると考えられます。

一般に、固体の油脂は口に入ったあとに舌の上でゆっくりと溶け出すため、コクを強く感じられる傾向があり、逆にサラダ油のような液体の油は口の中でとどまらずにサラサラと流れてしまうため、コクが弱い傾向にあります。
ただし、油脂が舌に残りすぎると逆にギトギトとした感覚になるため、ちょうどよいコク感を得るにはバランスが重要なのです。

その点、ラードはちょうど人肌程度(約30℃前後)で溶け始めるため、口に含まれたラードが舌の上に広がりつつ、徐々に溶けて流れ出していくことで、しつこすぎない味わいになると推測できます。

コクに関してはまだまだ分からないことが多いのですが、詳細を別記事にまとめていますので、興味のある方はそちらをご覧ください!

>>コクとは何か?その正体とオススメ食材・調理方法をプロが解説!<<

1.2.加熱による風味

ラードの大きな特徴は、その豊かな風味です。
これはラードの原料である豚の背脂に元々含まれている香りだけでなく、加熱することで初めて発生する香りもあります
調理の過程でラードを加熱すると、油脂の「脂肪酸」という成分がちぎれ、それが油脂の香りとなって私たちの鼻に届きます。
こうした一連のながれを、酸化と呼びます。

  脂肪酸の酸化

植物由来の油脂にはビタミンEが含まれ、これが酸化の進行を抑えています。

一方、ラードのような動物由来の油脂はもともとビタミンEを含まないため、酸化による香りが生じやすい特徴があります。
酸化というと悪いイメージがありますが、実は油脂に香ばしい風味をもたらすプラスの側面もあるのです。

ラードの酸化

参考:Flavor of Meat and Meat Products

2.ラードの代替食材4選

それでは、ラードの代替食材に必要な要素が①油脂の固さ②加熱に由来する香ばしい風味であることを踏まえたうえで、本記事では以下をラードの代替食材としてオススメします。

2.1.牛脂

牛脂

スーパーやお肉屋さんで販売されています。

牛脂はラードと同様の固体の油脂であるため、ラードのようなコク感があります。
ただし、物理的にラードほど柔らかくなく、加熱しても溶けにくいために調理時の使用感は異なります。

また、牛脂はラードと同じく動物由来の油脂なので、加熱すると香ばしい香りが出やすい特徴があります。
ただし、牛脂の場合は乳のような甘い香りも同時に発生する点がラードとは異なります。
牛脂をラードの代わりに使う場合は、この甘い香りが料理に合うかどうかがポイントになります。

2.2.ショートニング

ショートニング

ショートニングという名称に馴染みのない方もいるかもしれません。詳しく知りたい方はショートニングに関する別記事をご参照ください。

>>様々な食品に使われている「ショートニング」とは?<<

実は、ショートニングはラード不足であった19世紀末のアメリカで開発されたものです。
したがって、ラード代替食材の元祖といえます。

ショートニングは常温で固体であり、固さや溶けやすさなど物理的性質がラードと類似しています
したがって、同じような使用感で調理に用いることができます。
しかし、原材料が植物油脂であることが多いため、ラードの香ばしさを再現することはできません。

参考:ショートニングとラードの基礎知識

2.3.ラード代替素材(植物性ラード)

当社では、ラードの特徴を研究し、その風味と物性を再現した製品「プラーデ」を開発しました。

豚脂を使用せず、植物由来の力でラードのようなおいしさを表現した”植物性ラード”でラード特有のコクと旨みを付与します。

プラーデ

プラーデの大きな特徴の一つは、ラードの固さを高い精度で再現している点です。
さまざまな温度下でラードとプラーデは同様の物理的性質を示しており、食感や調理時の使用感がラードと同等のものになっています。

図は、ラードとプラーデの固さを比較したテストの結果です。

ラードの固さ

また、プラーデはラードを加熱したときに発生する香り成分を自社で研究し、キーとなる香りの要素をブレンドしています
こうした独自技術によって、ラードのような豊かな風味を手軽に再現することができます。

香り成分

プラーデの製品詳細はこちら>>>
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2.4.コクを付与する新素材

次に、ラードのようなコクを増強させる素材を紹介しましょう。

リッチエール』は、食品の『コク』を増強させ、美味しさを底上げする素材です
常温で液体の油脂は本来であればラードのようなコク感はないのですが、リッチエールは当社が蓄積してきたノウハウによって、舌の上に残りやすい特性があります。
そのため、ラードのように舌の上に脂が広がるコク感を簡単に付与できることができます。
リッチエールは食材の風味を長く持続させる特徴があることから、別素材と組み合わせることで食品の美味しさを底上げすることが可能です。
リッチエール

リッチエールの製品詳細はこちら>>>
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3.実際に炒飯を作ってみた

以上の要素を踏まえ、ラードの代替素材を使って実際に炒飯を作りました
筆者は食レポに慣れていませんが、油の使い勝手と風味の両面をまとめています。
ぜひ参考にしてみてください。

フライパンに大さじ一杯の油を加えます。

炒飯写真

ご飯と市販の「炒飯のもと」を入れて炒めます!

炒飯写真2

以下のような仕上がりになりました。
見た目に大きな違いはありませんでした。

炒飯見た目

感想

牛脂

  • 油がかっちりと固まっているために、計量するのがかなり大変。
    さらにフライパンに溶かすのも意外と手間…
  • かなり美味しい仕上がり!牛脂の甘い香りが炒飯をリッチな風味に。
    後味の濃厚さもあるため、味を追求するのであれば選択肢になりそう。

牛脂ポイント

ショートニング

  • 油の固さとフライパンに溶ける感じはラードとほとんど同じで、使いやすさを感じた。
  • 仕上がりはかなり淡泊で、ラードのような香ばしさは皆無…。
    後味も弱いためにこってり感や満足感は弱め。

ショートニングポイント

プラーデ

  • 触った感じはラードとそっくりで柔らかくて扱いやすい。
    調理前の香りはラードとは違う雰囲気だが、果たして…。
  • 火を入れることで、一気にラードのような香ばしい香りに。
    ラードより少しあっさりしているが、ショートニングと比べると濃厚感を感じられる。
    プラーデポイント
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リッチエール

  • 液体の油なので、計量もしやすく使いやすいが、こってり感はいかほどか…。
  • 食べてみると、ラードや牛脂にようなこってり感が!
    ラードの香ばしさはないけれど、炒めものの風味が後を引くことで満足感あり。

リッチエールポイント

試食したスタッフの意見としては、プラーデとリッチエールを組み合わせると、香りとコクの両方を補うことができ、ラードに最も近いという結論になりました。

リッチエールの製品詳細はこちら>>>
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最後に

いかがだったでしょうか?

こってりした食べ物にとってラードは重要な食材ですが、入手のしにくい場合があります。
そんなときは代替素材を使うことで、ラードならではのコク感や風味に近づけることも可能です。  

この記事が、みなさまの新たな「こってり」ライフのお手伝いになれば幸いです。

食品開発でお困りの方はご相談ください!業務用無料サンプルもあります

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