月島食品のメールマガジン『月島通信』が、おかげさまで通算500号を迎えました。
この節目を記念した「500人アンケート」、テーマは読者の皆さまの声から生まれた「パン・スイーツの新商品と季節ニーズ」です。
パン・スイーツを日頃からよく購入し、新商品の購入にも積極的な全国の生活者533名にご回答いただきました。
パンやスイーツの新商品は、どんな打ち出し方が響くのか。何が購入の決め手になるのか。季節は商品選びにどんな影響を与えているのか——。
本アンケートレポートでは、新商品への「注目・認知」から「検討・購買」、そして「障壁」や「季節要因」まで、購買心理のプロセスに沿って結果を読み解いていきます。
日々パンやスイーツを愛する生活者の声から見えてきた、リアルな消費行動と季節ごとに変わる気分——
皆さん自身の”あるある”が、きっと見つかるはずです。さっそく結果を見ていきましょう。
| 調査手法 | インターネットアンケート(月島食品調べ) |
| 調査対象・人数 | 全国の20-69歳・男性女性・533名 (パン・スイーツを日頃からよく購入し、新商品の購入にも積極的な方) |
| 調査日 | 2026年5月7日(木)~5月11日(月) |

質問項目
※クリックするとページが移動します。
◆1:新商品が出たとき、気になるカテゴリーは?
◆2:惹かれる商品の打ち出し方は?
◆3:新商品の購入を検討するとき、重視するポイントは?
◆4:新商品を購入するきっかけ・決め手になるのは?
◆5:新商品を購入するのはどんなとき?
◆6:新商品を見たときに購入をためらう理由は?
◆7:季節によって食べたくなる味やフレーバー、商品は変わる?
◆8:季節によって変わる、食の好みや行動は?
まとめ
※各質問は以下の4つのカテゴリーを提示・想定した上で回答を得ています。
●ベーカリーのパン:焼き立てパン屋で販売されているパン・ドーナツ・焼き菓子
●袋入りパン:スーパーやコンビニで販売されている袋入りのパン・ドーナツ・焼き菓子
●パティスリーのスイーツ:路面店、デパ地下、商業施設などの洋菓子専門店で販売されるチルドスイーツ
●袋入り・パッケージスイーツ:スーパーやコンビニのチルド棚で販売されているパッケージ入りスイーツ

◆1 新商品が出たとき、気になるカテゴリーは?

新商品への関心はスイーツよりもパンにあることがわかりました。
パンの中では袋入りパンよりも、リテール(※)やインストアベーカリーの新商品が注目されています。
スイーツの中ではパティスリー商品よりも、手軽に身近で購入できる袋入りやパッケージ商品の新商品への関心が高い傾向にありました。
これは、日常的に購入する機会が多いカテゴリーほど、新商品へのアンテナが自然と高くなるためと考えられます。
一方で、普段あまり購入しないカテゴリーでも、新商品という切り口があれば試すきっかけになります。
新商品開発においては、既存ファンへの訴求と新規層の開拓、双方を意識した展開が重要といえるでしょう。
※リテール=小売業。メーカーや卸ではなく、消費者に直接販売する業態のこと。焼き立てベーカリーやパティスリー、洋菓子専門店。
◆2 惹かれる商品の打ち出し方は?

全体的に「新商品」というワードに惹かれることがわかりました。
パティスリーのスイーツに限っては「季節限定商品」が最も魅力的という結果に。季節のフレッシュフルーツを使用したスイーツは、その旬の時季しか食べられない特別感があり、特に購買意欲をそそるのでしょう。
また全体を通じて、「季節限定商品」、「期間限定商品」といった“今しか食べられない”商品が上位にあがりました。
おいしそうなビジュアルはもちろん、「どんな価値があるか」を端的に伝えるコピーやパッケージの工夫が、手に取るかどうかの分岐点になっていると考えられます。
希少性・特別感を前面に打ち出す訴求は、幅広いカテゴリーで有効な戦略といえそうです。
◆3 新商品の購入を検討するとき、重視するポイントは?

新商品購入を検討する際、『味』に関わるポイントが上位にあがりました。
『価格』といったコストパフォーマンス面も約半数の人が重視しており、おいしさと納得感の両立が求められていることがわかります。
続いて、『食感』『季節感』『見た目』を意識しており、多角的な視点で商品を見極めていることがうかがえます。

最終的な購入決定において最も重視されるのは、圧倒的に『味』でした。
「おいしそう」「好きな味」という理由で購入を決めていることがわかりました。
「新商品だから試してみたい」という好奇心と、「失敗したくない」という慎重さが同時に働くのが消費者心理です。
特に味への期待感を高める丁寧なメッセージが安心感につながり、購入の後押しにに直結するでしょう。
◆4 新商品を購入するきっかけ・決め手になるのは?

新商品購入は、店頭での出会いが最大のきっかけであることがわかりました。
事前に計画して購入するというより、その場で見かけて買うという「衝動的・偶発的」な行動が多いようです。
「店頭で見かける」+「好きな味」+「手頃価格」---この3点が重なったとき、購入に結びつきやすいと考えられます。
今回の結果では、SNSやクチコミ、CMといった情報が直接の決め手になるケースは少なめでした。
しかし、事前にデジタルで商品を知っておくことで、店頭での商品やPOPといったリアルな出会いがより購入につながりやすくなることが期待できます。
◆5 新商品を購入するのはどんなときが多い?

新商品を購入するシーンとして、「自分へのご褒美」「おやつ用として」という回答がトップにあがりました。
普段は手が届きにくい価格帯や、いつもとは違うタイプの商品も、「新商品」という特別感があることで、「自分へのご褒美」として背中を押されるのかもしれません。
新商品は単なる目新しさだけはなく、日常の小さな贅沢・楽しみとして選ばれていることがわかります。
「特別な一品」としての価値を打ち出すことが、購買意欲の喚起に効果的といえるでしょう。
◆6 新商品を見たときに購入をためらう理由は?

新商品への興味はあっても、「価格の高さ」や「口に合わなかったときのリスク」がためらいの主な理由としてあがりました。
「新しいものを試したい気持ち」と「失敗したくない気持ち」は常に葛藤しています。
この障壁を下げるためには、少量・低価格の試しやすいサイズ展開や、試食・サンプル施策が有効と考えられます。
また、レビューや実食コンテンツなど「買う前に安心できる情報」を届けることも、ためらいの解消に直結するでしょう。
新商品の魅力を伝えるだけでなく、「失敗しない理由」を添えることも購入への後押しになりそうです。
◆7 季節によって食べたくなる味やフレーバー、商品は変わる?

季節によって食べたくなるフレーバーや商品が「変わるかどうか」は、カテゴリーによって回答が分かれる結果となりました。
パンに関しては「変わらない派」が多く、食事としても日常的に食べるパンは、定番商品を安定して選ぶ傾向があるようです。一方で問1では「新商品への関心はパンの方が高い」という結果も出ており、パンは”定番を基軸にしながら、新商品で鮮度を保つ”という二面性を持つカテゴリーといえます。定番の安心感を大切にしながら、新商品で新鮮な驚きを届ける訴求が有効かもしれません。
スイーツに関しては「変わる派」が大半をしめました。嗜好品であるスイーツは、定番商品というより季節感や目新しいものへのチャレンジ精神が強く、「季節限定」という言葉が持つ希少性・特別感が購入動機に直結しやすいようです。
◆8 季節によって変わる、食の好みや行動は?


季節によって食の好みや行動が「変わる」という回答が、全カテゴリーで約7割前後を占め、パン・スイーツともに季節の影響を受けやすいことがわかりました。
変化の内容として最も多くあがったのは「季節・旬の味やフレーバーを好む」で、続いて「味の濃厚度の好みが変わる(濃厚・あっさり)」「食感の好みが変わる」という結果に。フレーバーだけでなく、味わいや食感といった”口当たり全体”が季節とともに変化していることがうかがえます。
一方、「特に変わらない」と答えた割合はいずれのカテゴリーも3割前後にとどまり、多くの生活者が季節に合わせて食の選択を変えていることが示されました。
季節に合わせた商品展開は、フレーバーや素材の旬を打ち出すだけでなく、「濃厚/あっさり」「もちもち/さくさく」といった味わいや食感の訴求も有効といえます。
生活者が季節ごとに求める”食体験”全体に寄り添うことが、選ばれる商品づくりのヒントになりそうです。
季節感をカンタンに演出できるコーティング素材
『ホワイトパレット』

テンパリング不要で、合わせる素材の味と色を引き立て、艶やかに固まります。計量も溶解も簡単なペレット形状で、季節やテーマに合わせたアレンジを可能にします。
売れる「季節感」の作り方と販促カレンダー

・パン屋さん、お菓子屋さんの「新商品開発において重視していること」アンケート
・消費者の「商品選びのポイント」アンケート
・『季節の素材カレンダー』のダウンロード
まとめ

今回の、パン・スイーツの新商品に関するアンケートから見えてきたのは、「出会いは店頭、決め手は味、背中を押すのは季節と限定感」という、購買行動でした。
新商品への関心は高く、特に「季節限定」「期間限定」といった”今しか食べられない”訴求が購買意欲を刺激することがわかりました。一方で、購入の最終決定を左右するのは圧倒的に「味」であり、おいしさへの期待感を高めるメッセージやビジュアルの重要性が改めて浮き彫りになりました。
購買のきっかけは店頭での偶発的な出会いが中心ですが、事前のデジタル接点との組み合わせによってその確率はさらに高まります。また「価格が高い」「口に合わなかったらどうしよう」というためらいへの対策として、試しやすいサイズ展開や安心できる情報提供も有効といえるでしょう。
季節の変化は、フレーバーや食感の好みだけでなく、食べるシーンや気分にまで影響を与えています。生活者が季節ごとに求める”食体験”全体に寄り添う商品・コミュニケーション設計が、これからの新商品開発における重要な視点となりそうです。
パンとスイーツ、それぞれのカテゴリー特性を活かしながら、生活者の日常に寄り添う新商品づくりのヒントとして、本レポートをぜひお役立てください。


