お問い合わせはこちら

  1. トップページ
  2. 研究開発
  3. “おいしさ”を科学する

科学の力で、「おいしさ」のカギを探し出す

食品は私たちの生活にとって最も身近なもののひとつですが、
それが「おいしい」理由は、現代の科学をもってしても不明なことが多いです。
原材料の成分に秘密があったり、あるいは、食品の構造が独特の食感を生み出すなど、
食品の「おいしさ」のカギは無数に存在します。
月島食品では最新機器を駆使することで、人が食品を「おいしい」と感じる要因を探し出し、
より良い「おいしさ」を創り出す一助となります。

  1. 「口どけ」を科学する

    とろけるようなクリームを食べて、「このクリームは口どけがいい!」と思ったことはありませんか?

    「口どけ」は、食品のおいしさを表す代表的な表現のひとつですが、実際に「口どけがよい」とは、食品がどのような状態を指すのでしょうか?月島食品では、この「口どけ」を客観的な数字として示すことが可能です。

    たとえば、図は食品のなめらかさ(粘度)を測定する機器を用い、「口どけ」の異なるカスタードを比較した結果です。口どけの良いカスタードは、口に含んだときに粘度(かたさ)が大きく低下する傾向があることがわかりました。このように、感覚的だと思われがちな「口どけ」も、科学的なアプローチによって分析し、理解することができるのです。

  2. 「おいしさの構成要素」を紐解く

    食品がどのような成分から構成されているかを知ることは、おいしい食品を組み立てるうえで重要な情報です。月島食品は食品の水分量、糖や塩分がどの程度入っているかはもちろん、加工油脂企業として培われてきたノウハウを駆使して、どのような油脂が用いられているかも把握することもできます。

    油脂は風味や食感に重要な影響を及ぼしますが、私たちはその知見を膨大なデータベースとして蓄積しています。たとえば、「クッキーをサクサクに仕上げるためにはどの油脂を使えばいいのか」といったケースでも、私たちの豊富なノウハウによって多様な提案が可能になっています。

  3. おいしさの見える化

    食品開発では、最新トレンドを捉え、そのおいしさを再現することが欠かせません。しかしおいしさには客観的指標がないために、開発者の味覚や嗅覚に頼らざるを得ないのが実情です。

    月島食品は独自の分析技術でおいしさを数値化し、客観的に比較できるノウハウを構築しています。たとえば香りセンサーは、食品の香気を解析し、目標とする食品との類似度を数値で表示できます。さらに「ミルク様」「フルーツ様」といった香調ごとに細分化して評価できるため、製品の特徴を的確に捉えられます。

  4. 食のあらゆる領域を網羅する月島の分析技術

    月島食品では、食感や風味をはじめとする多面的な食品分析を行い、「おいしさ」の秘密に迫っています。たとえば、食品の食感の変化を探る場合、単なる成分の増減だけでなく、でんぷん、糖や油脂の構造がどのように変化したのかといった部分まで評価することで、食感のより本質的な要因を解明します。

    さらに最近では、食品をそのままの形で内部構造を見ることのできるX線CTスキャンを、国内の食品業界では先駆けて導入しました。こうした総合的な解析により、より豊かな食体験を提供するための製品開発や品質向上に役立てています。

    • 成分分析

      食品にどんな成分が入っているかを調査します。

      油分測定・水分測定・糖分析・アミノ酸分析・有機酸分析・脂肪酸分析

    • 保管試験

      油脂の劣化や食品が腐敗するリスクを調査します。

      保管試験(光照射・オーブン)、CDM(ランシマット試験)、水分活性、細菌検査

    • 呈味・香り・風味分析

      食品のおいしさの構成成分を調査します。

      LC-MS、GC-MS、匂いかぎGC

      ヒトの味覚や嗅覚を数値化します。

      味覚センサー、香りセンサー

    • 食感・物性分析

      サクサク感などの食感や、油脂の結晶化などの物理的な変化を測定します。

      レオメーター、示差走査熱量計

    • 構造観察

      食品の外観の特徴や内部構造をマクロからミクロまで見える化できます。

      X線CTスキャン、電子顕微鏡

    • 組成分析

      原子組成や分子構造データをもとに未知物質を推定・同定します。

      FT-IR、SEM-EDX